ある日、クラスメートから学校の図書室に残ってリスニングの勉強ができるらしい、と聞いた。早速、図書室に行ってみる。
実はこちらに来て初日、ホームステイ先でのリスニングがトラウマになっていた。
英語が全然できなかったということもあるのだが、オーストラリア特有の発音にも悩まされていたのだ。
「Do you like ソッカー?」
Do you likeまでは何とか聞こえたものの、ソッカーってのが分からない。
しばしフリーズ…。
どうした?ソッカー好きなの?嫌いなの?たまりかねたようで、もう一度聞く。
「Do you like ソッカー?」
ソッカーという単語を頭の中で検索しているが、一向にでてこない。
ようやくそれを察してくれたようで、単語を替えてくれた。
Do you like football?
いえぇす、いえぇす!である。
そうなのだ、ソッカー=succerなのだ。
日本ではサッカーのことをサッカーと発音すると習ったし、それ以外の発音があるとは思ってもみなかった。
このとき、ここで普通に暮らすにはリスニングが必要だと痛感したのだった。
話は戻って図書室でのリスニングだが、当時は何とテープだった。
いまはPCやらスマホやらでデジタルが当たり前の世界。
しかし、飛んだり止まったりなテープで英語の簡単な物語などを聞いた。
そんな状況ながら、早く上のクラスに上がって英語ができるようになりたかった。放課後に残ってまでもリスニングを頑張るのだと。
やはり切羽詰まった状況は人に危機感を抱かせ、やる気を起こさせるのだと思う。
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